■ プロット テーマ: ・ただの人間一人では到底なし得ない、世界の深淵を、冒険者(プレーヤー)達は知り、どのように光を照らすことができるのだろうか? ・地下迷宮という秘密の奥底に眠るさらなる秘密を、誰もが知りたいと思わないだろうか? プロット: ・アザリス教徒の狂ったその真実を知る、人が化け物に侵食されている。いや、そしてもう人ですらなくなった蟲の塊になってしまったものがいる。 黒騎士の兜の下は化け物だった。アザリス教団は化け物を飼っているのだろうか? ・世界を知れば、アザリス教団は邪悪だが、今の世界を作ったという7賢者・アザリス教団からは悪魔と呼ばれているそれは、たしかに豊かな世界を作った。   だが、本当に正しいのはどっちだ?本当に、賢者が正しいのだろうか? ・すべては、創世の奇跡をおこせるシステムが有るってことがそもそもの間違いだったんだ 発端:冒険者たちはアザリス教団の負の面を知ってしまい 展開:すべての成り行きを知って 結果:システム(世界)を壊した ターゲット:世界の深淵を覗く人のための ジャンル:ダンジョンRPG ■ 世界観 1000年前、アザリースと呼ばれるシステムが作られた 女神像の形をした奇跡の体現は7人の賢者達により作られ、彼らに創世の力を授けた 当時は、魔法の源も枯渇し、魔法も衰退していたところ 世界=女神像と照応し、女神像を任意に変化させることで、世界を変化させるという奇跡の魔法道具を作り上げたのである。 7人は人間や剣の姿をしたもの、牙やつ目と数多の腕をもつ異形の竜など、さまざまだ。 彼らは、各々が望む世界を作り、世界は再びにぎやかになっていった。 しかし、そうすればするほど、女神像は見にくく歪んでいく。 また、その力を独占する7人への妬みなどもあり、相反する勢力が生まれた。 そうした勢力は、大した力をはじめは持たなかったが、世界=女神像であったことが災いした。 世界=女神像であるなら、反対派の彼らも女神像なのである。故に、その妬みは女神像につもり、ただの像は意思のような何かをもち動くようになってしまった。 動く女神像を慕う信者は、そうして改変された世界を戻しはじめた。 だが、作られた世界に住んでいた住人にとって見れば、世界を壊されたに等しい。 しかし、女神像とその信者の力は強かった。なぜなら、それもまた創世の力だからだ。 そして、7人は彼らから距離を取るため、女神像の周辺を迷宮化して難を逃れた。 300年ほど前、さらに大きな対戦があり、女神像の集団はアザリス教団となのるようになり、迷宮を突破してしまった。 そして竜たちの世界が失われることになる。 このとき、賢者の一人、紅蓮の仙人は緑の仙人に代替わりをしている。 アザリスと地上のつながりをなんとか断ち切ったことで、現在の状態にいたる。 女神教国家アザリスは、母体であったアザリス教本部との接続、または女神像への道を求めている。 そして、賢者が歪曲した道こそがアザリスの迷宮なのである。 7人の賢者は女神教にとっては宿敵であるため、神々から翼を奪い、世界を狂わせた悪魔だと伝承されている。 ■ ジャックリーンとトニータ 女神教国家アザリスの迷宮は、財宝が眠る一攫千金の夢の場所である。 ジャックリーンは、宗教や政治に興味はなく、戦いの末に勝ち取れる金銀財宝が目当てだった。 ジャックリーンは仲間とともに、迷宮のかなりの奥底へ行って戻ってくるたびに、周囲の世界も微妙に変わっていっていることを感じていた。 それは、時間の流れは早いものだろうか、と思う程度であったが、あとあと考えると、それも兆候だったのだ。 ジャックリーンは仲間とともに深部へおもむいたとき、さらなる異形と出会った。 その異形との戦いで、仲間を失いつつも、なんとか迷宮から逃れたジャックリーンは、元の世界に戻ってこれなかったのである。 はじめは、戻ってこれたと思った。 いつもの宿屋が見えてきて、絶望しながらも、そちらへ足を進めた。 だが、その宿屋でジャックリーンは、ジャックリーンに出会ってしまったのだ。 満身創痍のジャックリーンと、新しい冒険に旅立とうとするジャックリーン。 満身創痍のジャックリーンは、色々と聞いてみると、自分の知っている世界と齟齬がいくつかあった。 ジャックリーンの仲間の構成、縁のある人達、よくよく観察すれば、街のいくつかが、自身が知っている世界とは違った。 こうして、満身創痍のジャックリーンはすべてを失ったことを自覚して、トニータと名前を変えて、グリノの街で宿屋をするようになった。 アザリスにいては、この世界の本物であるジャックリーンに、迷惑をかけてしまうからだ。 また、喧嘩もしてしまった。ジャックリーンにトニータは、もう迷宮へもぐるの早めたほうがいいと、何度もいったのだが、そのたびに強い反発を受けた。 気がついたときには取り返しのつかないほど、険悪な仲になってしまった。 だから、そういう理由でもアザリスにはいられなかったトニータは、心機一転と思って、グリノの街で宿屋をはじめたのである。 幾人もの冒険者とつながりを持つことで、元の世界に帰る、そんな夢も叶うかもしれない。帰れたところで……失った仲間は戻らないのだが。 ■ トニータ(ジャックリーン)の回想 異形のうめき声に岩が砕け、砂埃とともに岩が金属、土、人、革、岩、とさまざまにはじき合う音の群れの中でも、まっすぐな声が響き渡った。 「逃げるぞ!ジャン、ルーソォ」 「でも、ミルドは?」 ジャンとよばれたジャックリーンの抗議に耳を貸す気はないと、怪物を見据えつつも彼女の前に青年は彼女の肩を後ろへと手を当てた。 樹木が何十にも束になったような、それでいて黒々とした数多の枝が有機的にうごめいている。 そこには、いくつもの目と口があるが、一応にして人間らしさは見当たらない。 口からはよだれや言葉にもならないうめきが、目はどこを見ているのかさえあやふやで、ジャックリーン達を認識しているのかも怪しい。 リーダーのジングウは、ジャックリーンを下がらせると、彼女から距離をとった。 「密集して逃げるな!扱いはドラゴンとの撤退戦だ!」 「ミルドーーーー!」 ジャックリーンは叫びながらも、しっかりと後退する。 唐突に、怪物の肉体が伸びてきてジャックリーンを攻撃する。ムチのように鋭く伸縮する怪物の体が地面の岩を砕く。 土煙と、異形でよくみえないが、雷の青い光がまたたいた。まだ、ミルドは生きている。 次の瞬間、怪物の体のあちこちから無数の黒い槍が放たれるとともに、血を吐く声が重なる。 「俺が止める、いけぇええ!」 ジングウは、怪物の猛襲をくぐり抜けつつ本体に急接近して何かをした。 ドクンとその空間一体が心臓のように波紋のようななにかがひろがる。 ドクンと、またさきほどの波紋が広がる。 「ルーソォ、テレポートは?」 「無駄だ、どこにとぶかわからん。空間が不安定じゃし、あれをやっとるジングウは巻き込もうと思っても巻き込めん」 怪物の動きはなりをひそめた。ジングウの決死の魔術、自分の魂を犠牲にして対象の空間を固定化させている。 その影響力で、たとえ安定した場所だったとしても、テレポートでジングウを救い出すこともできない。 ドクンと、また波紋が広がる。ジングウの心臓の音であり、魂が消費されていく音が、甲高く壊れた。 怪物がキーーーーーーーーーーーーーーと圧縮された音とともに、周囲の空間をぐちゃぐちゃに荒らしていく。 迷宮がぐにゃぐにゃに捻じ曲げられていた。 ある場所は押しつぶされ、あるばしょはねじれ、まるで空間自体を粘土のようにこねたようだ。 そしてかすかに、周囲がドクンとする。 すると少し空間の変化はゆるやかになるが、それもほんのわずか。怒涛の変化と鼓動をくりかえし、ぐねぐねと迷宮はゆがみねじれていく。 ジャックリーンはどこへ逃げたらいいのか、そもそも怪物の場所さえもわからなくなっていた。 いつのまにか、鼓動の音が聞こえなくなっていた。 低い爆音のようななにかが聞こえたと思ったら、ジャックリーンの足元のレンガが崩れた。 受け身も取れずにジャックリーンは床にぶつかり倒れる。 起き上がってみると、迷宮は静かになっていた。ぐちゃぐちゃに曲がったような跡すらない。 見上げた上には、あるはずの穴はなく、石造りの天井がしっかりとある。 「ジングウ!ミルド!ルーソォ!」 仲間をよぶ声はこだまするだけで反応する者はいなかった。 ジャックリーンの仲間達は強い。だからこそ、一人でも自分も生き残らなければならない、そう思った。 よろよろと彼女は地上を目指した。きっと、皆と、また酒を酌み交わせるだろうと信じて。 ■ トニータの独り言 不思議なのよ、この世界はたしかに私の住んでいた世界とはほんの少し違う、でも大体は同じなの。 でも、ジングウも、ミルドも、ルーソォもどこにもいなかった。いたのは、私だけ。どうしてなんだろうね。 アザリスの迷宮深くへ挑むのも面白かったわ。潜れば潜るほど、戻ってきた世界も変わって見えたの。 もしかしたら、本当に少しずつ変わっていたのかもしれない。私が知らなかっただけで。 ■ ジャックリーンについて ジャックリーン(こちらの世界のオリジナル)は、今トニータと名乗っている彼女から妙なことを言われたのだ。 同じ姿、顔、格好、にもかかわらず、仲間とつるんで迷宮を探索していた、というのだ。 そんな馬鹿な話はない。ジャックリーンはいつだって一人だった。 一人でどこまでも踏破していける、これからも、そう信じている。 仲間は足手まといだ。とっさの連携は、そう簡単に身につくものではなく、意識のズレによって生じたスキが生死を分かつ、そういう世界だ。 パーティを組んでいる連中を甘ったれだとは思っていない。命がけなのだろう。誰だって肉壁が欲しい。 でも、ジャックリーンは誰も犠牲にはしたくなかった。そう、犠牲にするのなら、まず先に我が身を犠牲にする。 だから、あの自分そっくりのトニータは気持ちが悪かった。 仲間との冒険?なんで、そんな大切だと思う人を連れて迷宮に挑めようか? ■ トニータの旅立ち トニータはアザリスを旅立つことを決めた。できることならば、迷宮の奥地に挑み、元の世界へもどりたい、そして、また皆と再開したかった。 だが、はたしてあの地獄の状況で、他の仲間が生きているだろうか。元の世界に戻ったら……仲間たちの死を告げられるのではないだろうか。 トニータはわからなくなっていた。本当に、帰りたいのかどうか。 そう、帰るための情報集めなどというのは建前で、どこか遠くへ逃げ去りたかったのだ。 ときどき夢に見るあの怪物の影に怯えなくてもすむように。 できるなら、力がほしい。 まずは、もしかしたらいるかも知れない仲間を探そうとも思った。 ジャックリーンは一人で戦っているといっていた。そして、トニータが仲間にしていたような冒険者はいないとも言っていた。 世界は微妙に齟齬がある、だが、まったくいないということはないんじゃないだろうか。 頭のいいミルドがいてくれたなら こんなとき、何をするべきかを決めてくれるジングウがいたら 一緒に悩んでくれるルーソォがいてくれたら どんなに心強いだろうか。 そうしてトニータは、世界を回ったが、結局のところ見つけることはできなかった。 そして、グリノで宿屋をやっている。 ■ プレーヤー達の流れ ジャックリーンとの出会い アザリスの迷宮の浅いところで彼女と出会う。ちょうど迷宮から帰還する途中だった彼女はPC達に、薬草をわけてくれる。 「余り物の薬草だ」 「死にたくなかったら、自分の限界はどこまでか決めておくんだな。意識が朦朧とした崖っぷちでは、自己評価さえできなくなる。  それができないやつは、まだまだ行けると言って死んでいく、ここはそういう場所だ」 発端:冒険者たちはアザリス教団の負の面を知ってしまい ・アザリス教徒の狂ったその真実を知る、人が化け物に侵食されている。いや、そしてもう人ですらなくなった蟲の塊になってしまったものがいる。 黒騎士の兜の下は化け物だった。アザリス教団は化け物を飼っているのだろうか? 展開:すべての成り行きを知って ・世界を知れば、アザリス教団は邪悪だが、今の世界を作ったという7賢者・アザリス教団からは悪魔と呼ばれているそれは、たしかに豊かな世界を作った。   だが、本当に正しいのはどっちだ?本当に、賢者が正しいのだろうか? 結果:システム(世界)を壊した ・すべては、創世の奇跡をおこせるシステムが有るってことがそもそもの間違いだったんだ   世界=女神像のしていたシステムを一時的に停止し、その時間内にアザリスを撃破する! ジャックリーンを仲間にする ジャックリーンもトニータも、どちらも「孤独」を表現するキャラクターで トニータは、自分の存在が否定されたこの世界で諦めつつ日常を祝いながら生きている ジャックリーンは、誰にも頼らず、戦いという快楽に酔いしれつつも、根っこは人が好きだからその享楽に誰も付合わせたくないと考えている