俺の名前は康弘。俺には年下の彼女の唯がいる。 結構年は離れてて10歳違い。 彼女が大学生の時に彼女のバイト先のカフェで知り合い、 俺が一目惚れ。 ーーカフェで唯にラブレターをこっそり渡す康弘 唯「お待たせしました!今日もいつものモーニングセットお持ちしました。」 唯「最近、毎日来てくれてますよねw」 康弘「あ、はい…あの…これ、読んでいただきたいのですが…」 唯「え?」 ーー帰宅後、ラブレターを読む唯 『あなたの名前も知りませんが、優しそうな顔、可愛らしい声、懸命にお仕事をしている姿が素敵だなと思っています。 きっと、僕の方があなたよりも年上ですが、あなたのことをもっと知りたいと思っています。よければお友達になってくれませんか? LINEのIDはこれです。よろしければご連絡ください。キモイとか思わせてしまったらすみません。』 ーー笑う唯 ーー家にいる康弘 ーー唯からのLINE 唯『お手紙ありがとうございます。名前は唯ともうします。キモイだなんて思っていませんよ。私もあなたがちょっと気になっていました。どうぞ、お友達になってください。』 康弘「え?!?!LINEきた!!や、やったああああ!!!」 ーーその後水族館デートをする2人 俺の懸命なアタックによりどうにかこの恋は実を結んだ。 …とかいいつつ、実は唯も俺に一目ぼれしていたらしい。恥ずかしいけど嬉しいもんだ。 俺は一人暮らしで、唯は実家暮らし。 唯はよく俺の家に来て、夕飯を作ってくれていた。 ーー家に帰ってくる康弘 康弘「ただいまー」 唯「おかえり」 康弘「今日も来てたの?w」 唯「悪いー?」 康弘「そんなことないよw今日もご飯作りに来たのか?」 唯「うん、家だとママがご飯作っちゃうし、料理上手になりたいんだもん。」 康弘「そうだな・・・w」 ーー見た目はすごくおいしそうなパスタをテーブルに並べる唯(半熟卵が乗っていて、お皿の隅には2本のウィンナーが乗っているカルボナーラ) 唯「おまたせ!」 ーー食べる康弘 康弘「お、うまそう!いただきます!」 唯「・・・・・・どう?」 康弘「うっ…お、美味しいよ?」 唯「やっぱだめかあ…」 康弘「そんなことないって!」 唯「私分かるのよwいいから、正直にいって?w美味しくない顔してるんだってw」 康弘「ごめん…ちょっと、チーズが多すぎたのかも…濃厚すぎるかなw」 唯「そっかあ~~…カフェでバイトしてるのにどうして料理が上手になれないかなあ…」 康弘「でも、俺は唯のご飯好きだよ。俺の好きなウィンナーをお皿の端にいくつか入れてくれてるし、半熟卵も乗ってるし。」 康弘「俺への愛を感じるよ。」 康弘「ありがとうな。」 唯「うん…ごめんね。」 康弘「でも、唯はカルボナーラが一番上手だと思うよ?」 唯「そうかな…」 康弘「ごめん!他のが美味しくないってわけじゃないんだけど!!」 唯「うふふwww確かに。そういう意味になっちゃうねw」 唯「でも気にしてなかったw」 康弘「そっか…ならよかったw」 康弘「あれもこれもって大変になっちゃうから、俺の家にご飯を作りに来てくれるときはしばらくこれを作ってよ!」 唯「え?こればっかでいいの?」 康弘「うん!1つずつ上手になって行けばいいよ!」 唯「うん!じゃあそうする!!ありがとう!」 こうして俺の夕飯はカルボナーラばっかりになった。 でも、栄養が偏らないように付け合わせとかスープとか、その都度唯は工夫してくれた。 …正直その付け合わせも、しょっぱすぎたり、逆に薄かったりでなかなか安定はしてなかったんだけどさw それでも毎日俺は唯の夕飯が楽しみだったし、少しづつだけど、カルボナーラは美味しくなっていったんだ。 そんなある日、唯のお母さんからいきなり連絡が来た。 ーー病院にて 康弘「お母さん!」 唯の母「康弘くん!」 康弘「唯は!?」 唯の母「目が覚めないって…」 康弘「そんな…」 唯は事故に遭ったらしい。 今日は俺の誕生日。唯のお母さん曰く、俺の家にいつものようにご飯を作りに行った後、 ケーキを買いに行って、その帰りでの事故だったそうだ。 康弘「俺のせいだ…俺が誕生日なんかだったから…」 唯の母「そんなことないわよ!唯は康弘くんに喜んでほしかっただけよ…」 康弘「…」 唯の母「康弘くん、今日はもう帰りな?」 康弘「そんな!俺はここにいます!」 唯の母「でも明日もお仕事でしょ?」 康弘「仕事なんか!…」 (昔の唯のセリフ)『お仕事頑張ってるやすくんが、凄いかっこよくて好きなの!』 康弘「…分かりました。帰ります。何かあったら連絡ください。」 唯の母「分かったわ。」 ーー帰宅する康弘 ーー机の上にはカルボナーラ 康弘「もう用意してくれてたのか…」 ーーカルボナーラを温めて食べる 康弘「…だいぶ美味しくなったよな…でも、まだ濃いって……」 ーー泣き出す康弘。 ーー翌日 ーー会社で電話を貰い、泣き崩れる康弘 結局、唯は帰らぬ人となってしまった。 俺は本当に唯が好きで、結婚まで考えていた。 唯のご家族ともいい関係だったし、唯が社会人になって落ち着いたら、プロポーズしようと思ってたんだ。 でも…もう二度と叶わない。 半年後、失望から少し復活してきた俺は、気分転換に唯がよく作ってくれていたカルボナーラを作ることにした。 ーー家でカルボナーラを作ってみている康弘 チーズで濃厚にしたカルボナーラ。お皿の隅には2つのウィンナー。上には半熟にした卵。 俺は食べながら前が全く見えないほど泣いていた。 康弘「唯…まったく…俺が作ったほうが美味いじゃんかよ…」 でも、このカルボナーラを作った時は目の前の席に唯がいる気がして、 その唯が『俺の方が上手いなんてひどいなあ』って笑ってくれている気がした。 あの出来事から数年。 まだ俺は結婚できていない。それどころか彼女すらもいない。完全に婚期を逃した気がする。 でもいいんだ。俺にはあのカルボナーラを作った時に、皮肉そうな顔をして笑いかけてくれる唯がいるから。 今の俺の得意料理は言うまでもない。ウィンナーと半熟卵が乗ったカルボナーラだ。 なあ唯。俺がお前の代わりに上達したからな。お盆に帰ってきたときにでも、食わせてやるからな。