はじめに 近年よく聞くフレーズ、『老後資金2000万円』問題。金融庁が2019年6月に公表した報告書において、収入を年金のみに頼る世帯のモデルケースでは20~30年の老後を生きるために約2000万円の老後資金が必要と報告されたのです。年金だけ老後を乗り越えることは難しく、自分たちで貯蓄をしておく必要が示唆されました。とはいえ頼りの退職金も年々減少傾向にある昨今、2000万円なんて到底用意できそうない!そう感じた方も少なくないのではないでしょうか。 1980年代は、預金金利が4.86%の時代がありました。1980年に100万円を預金した場合、1年後には104万8600円となるのですから、貯金をするだけでどんどん貯蓄を増やすことが可能でした。しかし現在、ほとんどの銀行の金利は0.01~0.2%。同じ100万円を預金しても1年で多くて200円しか増えません。昔と異なり、今の日本社会で老後資金を用意するには貯金以外の選択肢、すなわち投資をする必要があるのです。 一口に投資といっても個人向け国債や投資信託、株式投資などさまざまな種類があります。そのなかでも最も高い利益を狙えるのがFX(外国為替証拠金取引)です。FXは外貨の売買にて生じた差益で収益を狙うものです。ほかの投資同様リスクはあるものの、レバレッジ(少ない元手で高額取引を行えるシステム)をはじめとした取引の特性上、うまくいけば短期で大きなリターンを得ることができます。ただし、投資初心者の方の中にはなんとなくFXは難しそう、うまくいかなそうと手を出しにくいと感じている人が多いのも事実です。 ・FXのメリット FXのメリットは、まず好きな時に取引ができること。FXは世界中で取引が行われているので、24時間取引が可能です。インターネット環境さえあれば、24時間どこでも好きな場所でオンライン取引が可能なため、サラリーマンや主婦の方でも空いた時間に取り組むことができます。 また、FXは業者によって通貨の最低ロットというものが変わってきますが、数千円から数万円の少額からでも取引ができる業者もあるため、小額から投資が始められる点も初心者の方には魅力的な点でしょう。小額からのスタートでも、前述のレバレッジという仕組みを使えば元手資金以上の取引を行うことも可能です。 株式投資では、3600以上といわれている上場企業の中から利益が出る銘柄を選択しなければなりません。そのうえ、その会社が投資に値するか業績や安全性を調べるのに膨大な時間を要したり、投資しようとしているうちに情勢が変わり取引のタイミングを逃してしまったり、なんて可能性も大いにあります。それに比べFXは取引する国の通貨ペアを選ぶのみですから、迷うことはありません。 ・FXのデメリット FXで注意すべき点ももちろんあります。まずは為替変動のリスク。通貨が高くなると思って買ったは良いものの、思惑に反して安くなってしまう時ももちろんあります。FX業者によって定められたある一定の割合を下回っても放置していると、強制的にロスカットされる場合があります。そうならない為にも、エントリーしてからも日々の証拠金維持率はこまめにチェックするようにしましょう。 また、金利変動のリスクもあります。FXには長期間ポジションを持っているとスワップポイント(各国の通貨の金利差)が日々発生します。各国で発表される金利水準によって、スワップポイントの受け取れる金額が変動したり、更に予期しない為替変動も加わってマイナスになるケースもあります。これらのリスクを軽減するためいに、副業としてFXを行う方はデイトレードで始めることをおすすめします。デイトレードとはその名の通り当日中に注文と決済を終わらせる投資スタイルです。その日中の決済日をまたいで取引継続することがないので、証拠金維持率が大きく下がることもありませんし、スワップポイントを意識することもありません。 その他のリスクとしては、FX業者自体のトラブルがあります。取引をしている対象は各国の通貨であっても、証拠金自体を預けているのはFX業者であり、万が一取扱業者が倒産した場合、わたしたちの資産が一気に失われる可能性があります。その業者の財政状況や、銀行など第三者機関への信託保全などの状況を確認して、リスクの低いFX業者を選ぶ必要があります。また、FXはインターネットを使ったパソコン上での取引が主流とな っています。秒単位で変動する為替の動向を追う必要があるなかで、取引で使用するシステムの故障などで取引出来なかったり、正確な市場価格がリアルタイムで反映されなかったりすると、その間に損失を被る可能性があります。 ・FXを始めるにあたり FXに取り組んでいくにあたり、あらかじめ考えておいたほうがよいことがいくつかあります。まずは、目的を明確にする事。FX において大前提は「お金を稼ぐ」事ですが、なぜFXをするのか?FXでいくら稼ぎたいのか?稼いで何をしたいのか?など自分の考えを整理する必要があります。冒頭で述べた資産形成を望むほかにも、「暇つぶし」「小遣い稼ぎ」「トレーダーを目指す」など人によって理由は様々だと思います。その理由に関わらず、まずはFXとはどういうものか、本質を理解し、リスクをしっかりと学ぶべきです。FXでうまくいかない多くの方は、リスクをわきまえないギャンブル思考でFXに臨んだゆえに損をして、FXから手を引いていきます。FXを行う目的を明確にする事は、すなわちそれがFXを辞めない理由となり、無理な取引をしない為のメンタルコントロールに繋がります。 いくら稼ぎたいのか、を考える上では短期的な額と、長期的な額のいずれも考える必要があります。特に1日当たりの目標利益を考えることが重要です。1日の目標利益を考える際には、自身のトレード手法・トレードに避ける時間・勝率をふまえ現実的で無理のない数字に設定しましょう。 ・FXで稼ぐために 前述のようなギャンブル思考で失敗しないように、勘での取引は絶対に禁止です。FXのチャートは統計に基づいたものであり、その為替の動きは「群集心理」が働いた結果ですので、利益を上げる為にはチャートを分析して今後のトレンド予想をする必要があります。その判断材料として使われるのが過去の相場の動きを統計にした「テクニカル分析」や各国経済指標などの「ファンダメンタル分析」です。これらの統計分析を基にしてチャートに日移動平均線・MACD・RSI・ストキャスティクス・ボリンジャーバンド・一目均衡表などを組み込み、トレードの正確性(確率)を上げていきます。そこで確立出来た手法や、自分の経験に基いて判断し取引する事を「裁量トレード」といいます。裁量トレードはFXの基本を押さえた上で本質を理解し、さらに経験を積み上げていく事で自身のスタイルを確立していくものであり、初心者がすぐに取り組むのは至難の業です。 自身のトレードスタイルを確立してくためには、トレード記録をつけましょう。勝率100%はプロのトレーダーでもまず不可能です。「自分がなぜここでエントリーしたか?」「なぜここで決済したのか?」 「なぜうまくいったのか?」「なぜ失敗したのか?」「決済した時の自分の取り巻く環境はどうだったか?」 などをトレードのたびに記録する事で、自分のトレードの傾向が見えてきます。トレードの際、特にマイナスになって感情的になってしまっているときには、人間は冷静な判断が出来なくなっています。トレード記録をつける事で、その時に気づかなかったものを後で冷静に、そして客観的に振り返る事ができます。振り返ることで、負けた時のパターンなど同じ間違いを回避できますのでトレード日誌は必ずつけることをおすすめします。 FXのメリットは一攫千金が狙えるところとはお伝えしましたが、一度きりの利益では到底老後に必要な2000万円は貯められません。安定して稼ぐためのポイントは、まず裁量トレードの難しさを知ること。経験を積み上げてきた自分の「勘」や「テクニカル分析」「ファンダメンタル分析」など、投資判断に基づいて行う裁量トレードは正直、身に付けるまでにはとても多くの知識と経験を要します。人間は感情的な動物であり、その感情によって投資でなかなか勝つことができないことは投資の行動心理学(プロスペクト理論)によって実証されています。裁量トレードをするとほとんどの方が、利益を得られるときはすぐに利益を確定してしまい、損失があるとなかなか確定したがらないという傾向にあり、うまくいかなくなってしまいます。それを防ぐためにも「エントリー・決済・ロスカット・資金管理・トレード手法、目標利益」これらのついてのマイルールを作り、それに忠実に取引していくのが良いでしょう。 裁量トレードが難しい方には、近年ミラートレードも人気です。ミラートレードとは、選択型自動売買の取引プラットフォームのことで、FXの売買をストラテジーと呼ばれる売買プログラムに任せて自動でトレードを行うシステムのことです。ミラートレードが人気な理由としては相場の上げ下げに関係なく、常に絶対リターンを狙える点や、パソコンに張り付くことなく資産を増やせるため忙しい人でもトレードに参加できる点、投資の専門知識が不要なのでFX初心者でも簡単に利益を出せる点です。裁量トレードがあまりに難しい場合はミラートレード取扱い業者での取引も視野に入れましょう。 そして安定して稼ぎ続けるために必要な視点のもうひとつは、勝率ではなく、利益率で見ること。たとえばFXでは「10 回のトレード中9回勝った」といっても、残りの1回で勝った9回分の利益をゆうに超える損失が出てしまう場合があるからです。逆に9回負けていても1回分のトレードで9回分の負け額を超えて利益が出ることもあります。どちらが優秀なのか?答えは後者の方です。FXに取り組んでいる本来の目的は「お金を稼ぐこと」のはず。勝率が低くとも、利益率で見た場合後者はプラスですからしっかり資産運用できていると言えます。当たり前のことですが、FXで重要なのは「損失は少なく、利益は大きく」。トータルで見ていく必要があります。1回ごとの勝ち負けに決して一喜一憂せず、そしてトレード記録をつけていく事で、少しずつ負けトレードの回数が減っていき、やがては大きく利益を得られるトレード回数が増えていきます。負けが減ることで余裕も生まれ、一番大切なロスカットなどでも、冷静な対応が出来るようになります。FX で安定して稼いでいく為には、自分のルールに基づいたエントリー・決済・ロスカットを明確に行い、そして利益や損失を全体的な利益率でみることが大切です。 ・FXの実践 取引を行うどの通貨も、米の経済指標に大きく影響します。その米の経済指標の発表が通常午後10時30分か午前0時にされるのでその後は動きが出やすいです。 もちろん日本の重要な経済指標も影響を受けます。FX業者や証券会社などのサイトに経済カレンダーがありますので、確認しましょう。FXが24時間取引可能なのは、各国の市場が次々に開いていくからです。 日本時間で言うと、まず早朝5時頃からニュージランド、オーストラリアのオセアニア市場が開き、8時頃からはアジア勢、16時頃から欧州勢が開き、最後に21時にニューヨーク市場が開きます。欧州とニューヨーク市場の両方が開いている21時以降は比較的動きが大きいかもしれません。 実際にFXを始めていくには、初めにFX業者を決めて口座を開設します。短期運用なのか、預金代わりに長期運用なのかでも異なりますが、初心者が業者を選ぶポイントとしては、1:手数料無料、2:取引単位が少ない、3:レバレッジ100倍以下 を基準にしてみてください。手数料無料は、たとえ100円でも1000円でも利益として得るためで、FXを初めて行う方は手数料無料の会社を選ぶことをお勧めします。取引単位とはトレードの際の通貨の最低数量を指します。この数量が出来るだけ小さい方がリスクは少なく、最低でも1万通貨以下が望ましいでしょう。またレバレッジも初心者には100倍が限度で、これより大きなレバレッジはリスクが高く初心者には不向きです。運用の戦略に合わせ、口座を複数持って使い分けるというのも、 一つのテクニックです。デモトレードができる会社もたくさんあるため、自分に合うシステムを選びましょう。 実際に取引していくうえでおすすめの通貨ペアは、GBP/JPYです。何故GBP/JPYなのかと言うと、1日のうちで一番値動きに幅があるので、一番利益が出やすい通貨であるためです。ただし、GBP/JPYは値動きが激しいので、あまりにも残額が少ないとあっという間に強制決済されてしまいます。元手が少なくGBP/JPYだと証拠金が高くていくらも買えないという方には、NZD/JPYをお勧めします。NZDも値動きが激しいためスプレッドは広めですが、100円以下と低いので証拠金もGBPの1/3程度になります。 GBP/JPYの場合、1日に2円程度動くことはよくあります。円高傾向なのか円安傾向なのかにもよりますが、円高の時は2円~2円50銭くらいを目安に早々にロスカットするのが良いと思います。NZD/JPYは、1円50銭~2円くらいが保持かロスカットの目安になるでしょう。 ・おわりに インフレにより物価はあがる一方でお金の価値は下がっていく日本社会において、老後資金不足の心配を解消する方法のひとつとして、FXをご紹介しました。誰でも、知らないことや初めて取り組むことには不安がつきものです。しかしFX特有のリスクは、取引に関する正しい知識と、自分自身のメンタルコントロールによって軽減することができます。怖がりすぎず、まずは口座を開設して小額からの取引を行ってみることをおすすめします。実践して感じることも多くあると思います。少しずつでも、利益が出ると嬉しいものですよ。あなたのトレードがうまくいくことを心より祈っております。