音と、想いと 胸に響く音を立てて 瑠璃紺の空に大輪の華が咲く 夜の空気を震わせて 一瞬群青の空を炎の華が裂く 泣きそうなのは音のせいか 儚く散った火の花弁の哀愁か 訳もわからずベランダの 手摺を握り締めるのだ 遠く響くあの音は 過去を葬送する為にあり あの華美に過ぎる炎の華は 今を彩る最期の光 胸をすく様な硝子の鈴音は 一年中あの家の軒先から響く 青空に吸い込まれて 汗ばむ季節だけ愛されるのだ 心に吹き抜けたのは薫風か 思い出という名のノスタルジィか 理由など必要ないから 空色の空気を吸い込んだ 耳に残る澄んだ音は 刹那を賛美する為にあり あの涼やかな透明の姿に 人は夢を見るのだろう 人の想いを受け止めて 汗ばむ季節がまた訪れる 期待と切なさと 出会いと別れを 運んでくる もたらされる 貴方にも 私にも どこかの誰かにも あの音に乗せて